Tokyo Cabinetはデータベースを扱うルーチン群のライブラリです。データベースといっても単純なもので、キーと値のペアからなるレコード群を格納したデータファイルです。キーと値は任意の長さを持つ一連のバイト列であり、文字列でもバイナリでも扱うことができます。テーブルやデータ型の概念はありません。レコードはハッシュ表で編成されます。
ハッシュ表のデータベースでは、キーはデータベース内で一意であり、キーが重複する複数のレコードを格納することはできません。このデータベースに対しては、キーと値を指定してレコードを格納したり、キーを指定して対応するレコードを削除したり、キーを指定して対応するレコードを検索したりすることができます。また、データベースに格納してある全てのキーを順不同に一つずつ取り出すこともできます。このような操作は、UNIX標準で定義されている DBMライブラリおよびその追従であるNDBMやGDBMに類するものです。Tokyo CabinetはDBMのより良い代替として利用することができます。
Tokyo CabinetはCで記述され、CのAPIとして提供されます。Tokyo CabinetはPOSIX準拠のAPIを備えるプラットフォームで利用できます。Tokyo CabinetはGNU Lesser General Public Licenseに基づくフリーソフトウェアです。